バイクでこけてから、建設会社から100万回収するまでの話

事故った人スペック（当時）

俺
たかし（仮名）
２２
学生
安全運転がモットー
バイク通学
文科系サークル所属

適当に語って行くけど、事故被害者になったときは参考にしてほしい

盛大にこけた。
大学近くの工事現場で、まだ固まってないアスファルト（ベタベタの黒い砂利）の上にバイクと自分の身体が転がってた。
交通整理のバイトくんが誘導する場所を間違えたみたいでオロオロしてた。
っていうか俺が誘導に従って車線変更した瞬間、テンパって目の前に飛び出してきてた。（ヤメテ、アブナイ）
バイクのキーを抜くためになんとか立ったけど、痛みで声が出なかった。

バイト「あうあう・・・ﾀﾞｲｼﾞｮﾌﾞﾃﾞｽｶ・・・」
俺「・・・ﾁｮﾄ・・ﾏｯﾃ・・・」
他の作業員「こらぁバイトー！早く片付けろー！！」
バイト「！？　ｱｯ・・ｱｰｲ・・・！」
俺「・・・(^ｑ^)」

人が転がってても仕事の手を止める人もいなかったし、殺伐とした現場だった。
でも自損だし、仕事の邪魔したと思って申し訳なく思ってた。
とりあえず、110番や119番はしてくれないらしい。

バイトくんは力持ちのやさしい子。
大破したバイク（200kg弱）を道路脇まで動かしてくれた。
その後は「あうあう」というだけで動かなくなってしまったので、現場の責任者が誰かを聞いて、110番しておいた。（自損でも警察への届け出は義務です）
身体はなんとか大丈夫だったので、
足を引きずって責任者の元へ歩いていった。（←ホントはよくない）

俺「すみません、事故っちゃいまして」
責任者「あっそう」
俺「・・・(＾ｑ＾)」
責任者「で、何か用？」
俺「一応、保険の関係もあるので話を・・・」
責任者「あ？こっち今忙しいから保険屋とやってよ」
俺「ﾌﾋﾋ・・ｻｰｾﾝ・・・(；▽；)」

とっても怖いあんちゃんだった。
泣きそうになりながらも、パトカーの誘導とかしないといけないから近くの交差点に歩いて行った。
ちなみにこの工事現場は全部坂道。ツラい。

坂を下りきって交差点で待ってるとパトカーが来た。
手を上げてパトカーを止めると2人の警官が降りてきた。
一人はこち亀の大原部長をだらしなくした感じ
もう一人はハンタのゴトー似の20代メガネ。

部長「通報者ですか？」
俺「はい、そうです」
メガネ「事故された方はどこ？」
俺「ぼ、僕です（おいメガネ、目つき悪いぞ）」
部長「あなた？怪我も軽そうだし、救急車はいいですね」
俺「ええまぁ（足から血が出てるけど）、相手に迷惑かかっちゃうのもアレなんで」
（救急車を呼ぶと人身事故扱いになって現場検証が必要になるのだ！）
部長＆メガネ「はっはっは(笑)」
俺「？」
部長「自損事故なんだから、君が行政処分くらうだけだよ(笑)」
俺「ｿ､ｿｰﾅﾝｽｶ・・・！」
メガネ「じゃあここに名前と住所・・・（云々）」
部長「じゃあ私たちこれで帰るけど、もう事故しちゃダメだよ」
俺「ｱｻﾞｰｽ」

現場も確認せずにあっさり帰って行ってしまった。
2人とも終始面倒くさそうだった。
あと、メガネは目つきが悪かった。

工事現場に戻ると、事故の場所がちょうど舗装されるとこだった。
俺「（ロードローラーだッ！　ドグオオン）・・・(^ｑ^)」
現状確保もあったもんじゃない。

バイクはくちゃくちゃだし、とりあえず落ち着こうと大学のサークル室に向かった。
文科系の過疎サークルなので人がいなくて落ち着くのです。
向かう途中で保険屋の嶋岡さん（仮名）に電話した。

嶋岡「はい！嶋岡保険(株)！」（←声デカくて元気なじいさん）
俺「あの、○○（苗字）です」
嶋岡「ああ、○○先生！いやあ、いつもお世話になってます、どうされました！！」
俺「いや、すみません、息子のたかしです・・」
嶋岡「たかしくん？どうした、また車にひかれたか！」（これまで1回巻き込み・2回追突されてる）
俺「ﾌﾋﾋ・・・ｻｰｾﾝ・・・こけちゃいました」
嶋岡「きみ、そのうち死ぬなあ！はっはっは(笑)」

簡単に要件伝えて、後日詳細ってことになった。
病院はタクシーで行って、必ず領収書を貰うように言われた。
電話してるうちにサークル室に着いた。


>>14
痛みで熱さはわからなかったなあ
服が黒いのでベチョベチョ

>>23
エリミネーター２５０Ｖ

>>33
言ったよ！俺、おまわりさんに言ったよ！(;_;)

サークル室の電気が消えてたから誰もいないと思ったのに、
同期のヤツが一人パイプ椅子を並べて寝てた。

同期「おや、たかちゃん　どしたの」
俺「いやぁ、そこで事故っちゃってさ・・・」
同期「ドンマイ！気をつけて！」
俺「うん、ありがとう　いてて・・」
同期「じゃあオレ。しばらく寝てるから電気消していってね！」
俺「お、おう・・・＾ｑ＾」

俺の居場所はなかった！
この後、大学庶務を通してタクシーを呼ぼうとするも「構内に呼ぶな」とお叱りを受けて、足を引きずって外に出て泣きそうになりながらタクシー待った。

>>20
うむ！
でも、被害額以上取ると脅しみたいで俺にはできんかったわ
相手怖いし

いち段落して頭が落ち着いてくると、痛みが増してきた。
冬だったから軽症ですんだけど、穴の開いたグローブ見てちょっと考えさせられた。
タクシーが来た。そろそろ暗くなり始めてた。

俺「救急外来やってる病院までお願いします。」
運転手「あら、怪我したの？じゃあ●●病院いきますねー」
俺「ｵﾅｼｬｽ」
ﾌﾞﾛﾛﾛ・・・
運転手「あぁ、でもこの時間受け入れやってるかな　一応電話しといた方が良いよ」
俺「ｿｯｽﾈ！」
prr･･･
俺「バイクで事故ったんですけど・・・」
●「うちはこの時間ダメです」
俺「oh･･･」
運転手「あら、残念　どうします？」
俺「医療機関案内サービスに電話しますわ」
prr･･･
俺「バイク事故で・・」
案内「▲▲医院へ電話してみてください」
▲「いっぱいです」
俺「あう」
案内「××クリニックへ」
×「今、当番が眼科医しかいないので無理です」
俺「そんなばかな」

たらいまわしにされた。

仕方がないので、奇策に出た。

prr･･･
俺「自転車でこけました、診てください」
整形外科「20時までならいつでもいいですよ」

一発OKだった。嘘も方便だと思った。
あと、軽症アピール大事。重傷なら１１９番へ。
ただ、電話の間も運転手さんがタクシー走らせるもんだから
メーターがすごいことになってた。

運転手さん「病院見つかってよかったねえ！」
俺「ﾄﾞﾓｯｽ」
運転手さん「しかしお客さん、災難だったけどこれで厄払いできたんじゃない？はっはっは(笑)」
俺「・・・ｿｯｽﾈ　(＾ｑ＾)」

病院に着いた頃には外は真っ暗で、料金も1万円近くなってた。
でも診察の結果、骨には異常がないことが分かってよかった。
松葉づえ借りてまたタクシーで帰った。
帰りの分の領収書もしっかりもらった。

翌日、バイクの回収をバイク屋に依頼したり、保険屋に詳細の連絡をしたり、必要な連絡を済ませた。

全て片付けてから思った。

「　い　ろ　い　ろ　許　せ　ん　。」

なんかもう、その日の不満を全部まとめて事故の賠償額獲得にぶつけてやろうと思った。
自損だから云々ってのはおかしい。あっちだって誘導にミスがあったはずだ。こっちはバイクなくなると通学困るんだ。モノレール運賃高いんだよバカ。許さん、絶対取ってやる。

そうと決まったら行動は早かった。
ﾋﾞﾋﾞﾘながらも建設会社の名刺をもらってたので、会社名と責任者は特定できてた。
ついでに実は、事故った場所がロードローラーされる前に携帯で写真も取っていた。
パイロンの設置場所が悪くて未舗装の車線に誘導するようになっていて、ちょうど作業員がパイロンの位置を直そうとしているところが写ってた。
会社名と工事現場の地名から、市の道路工事入札の記録に目を通して元請の建設会社を割り出した。
そこから、その工事を管轄してる市の担当者も特定した。
現場の会社はころころ名前変えてる零細だったから、元請にたどり着くまでが苦労した。

>>49
これでも警視庁なんだぜ・・

次に、被害額の算定をしなくちゃいけない。
その日着用してたもの全て、ヘルメット・グローブ・服・くつ・かばん、時計等々ささいな傷でも全部購入元に電話入れて購入価格を計上した。
バイクの修理費はバイク屋の社長が査定してくれて、廃車にせずほぼ全パーツ取り寄せで全部修理することにできた。

俺「社長、なんとかなりますか・・？」
社長「たかし、バイクは思い入れだろ？（親指突き出してウィンク）」

修理費は６0万超えてた。レッドバ□ンで同じ年式の新車買うより高かった。
くそダセェけど、親切で尊敬できる社長。
ちなみに、保険金獲得できなかったとき用の「動けばいいやバージョン」の修理費は10万いかなかった。

必要な情報がそろったので、嶋岡さん（保険屋）に電話した。

俺「これで勝負してください(泣)」
嶋岡「やりましょう」

結果から言うと、数日後には電話があって

嶋岡「たかしくん、やったな　全部出るぞ」

実は嶋岡さん、かなりのやり手だった。
詳しくは聞かないようにしたけど、
提供した情報を察していろいろ動いてくれたみたいだった。
後から聞いた話では、
実際に地元から飛行機使って相手の事務所に乗り込んで交渉したらしい。
本来、賠償額は減価償却で減額されるものなんだけど、
全部言い値の購入価格で賠償してもらえた。
使い古したヘルメットも新品で返ってきた。
そしてもちろん、バイクもほぼ新車。むしろ新車より新しい。
慰謝料もろもろ合わせて100万の賠償額になった。

最後。
バイクは結局修理完了を待たずにバイク屋に売って、
そのままニューモデルの新車に乗り換えた。
その後も嶋岡さんと社長にはお世話になってる。

みんなも安全運転で。