明らかに俺の山でタケノコ取ってる奴いるんだけど注意するの怖い

さて、ではどうして山で山菜等を勝手に採っても逮捕されないのでしょうか？

松茸の場合はほぼ100％
松茸山として明確にロープや柵や看板でアナウンスされてるから
この場合権利者が通報したらほぼ確実に逮捕されるよ

さて、ではどうして柵やロープや看板等でアナウンスしてないと罪に問えないのでしょうか？

いろいろ説明が糞めんどくさいので
慣習法、入会権（いりあいけん）というような言葉でググって欲しい

まあ要するに滅茶苦茶簡単に言うと
人々が山で山菜等を採るのは昔からされてきた人間の営みであり
個人が少し採る程度のことは慣習的に認められてますよってこと

さて、ここで必ず出て来るのが
”厳密に言うとアウト”厨です

厳密に言うと森林窃盗罪にあたる！と言うようなことを彼らは主張するんだけど
たとえばキャンディーの包み紙一枚捨てても厳密に言うと不法投棄の罪になる
と言うのと同じで、現実はそんなことで罪に問われないのと一緒なんだよ

なぜ罪に問われないのか？
この種の犯罪はその”態様”が判断されるから
つまり
業者が、大量に、常習的に、販売目的で、警告を無視して、悪質性が強い
というような要素がどの程度あるのかになるので
そうでないとガムをペッと吐き捨てただけで
はい、不法投棄！懲役5年以下もしくは1000万以下の罰金！となってしまう
でも実際はそんなことにはならないのはわかるよね

可罰的違法性でもググって欲しい

要するに簡単に言うと
刑罰というのは人を拘束し大きなストレスを与える行為なので
軽微なことでいちいちそれをするのは人権の観点からも好ましくないという考え
空き缶一個捨てただけで不法投棄の罪に問われたのでは
人々の円滑な社会生活が阻害されるだろ

それからこの手の判断はまだあってね

民法にはちゃんと
私権は公共の福祉に適合しなければならない
権利の乱用はこれを許さないって書いてあるんだよ
これはつまりどいう事かと言うと
裁判所は開放された土地は「公衆の通行に承諾の推定がある」とみなしてるってこと
土地所有者は公衆の通行を承諾しない場合は塀などで囲むとか
ロープなどを張る、立入禁止の告示をするなど意思表示をする必要があるってこと

だから、登山者やハイカーが
山に登る前にその山の権利者を調べて許可を得てから登るなんてする必要がないのはそのせいなんだよ

明確に通行禁止というようなアナウンスをしてない限り
公共の福祉の観点からも、厳密に言うと私有地だから立ち入るだけげアウト！
とはならないんだよ

だけど権利者が出てきて
ここは私有地だから入らないでくれとか採らないでくれと注意してきたら
それはその時点で明確な意思表示をしてきてるわけだから従わないと駄目だけどね
こう言うのを無視して暴言を吐いてたらさすがに悪質と思われて逮捕される可能性は出て来る

ただ必ずこの手の話になると
厳密に言うとアウト厨が出て来るけどな
でも実際は厳密に言えば言うほど実はセーフ

たとえば外回りの営業マンが敷地内に入ることはあるだろ
マンションなんかだとそうするしかない
でも退去にも従わなかったり暴言や脅迫で契約を迫ったりした時ぐらいしか逮捕されないよ
普通に営業してるだけで逮捕されるのでは宗教の勧誘だってNHKの勧誘だって
一切活動ができなくなってしまうだろ
これでは人々の営みが正常に行われなくなるから法ってちゃんとそうなってるんだよ
”社会通念上妥当・相当”
”社会通念と照らし合わせても違法とまでは言えない”
と言う判断がちゃんとあるから

厳密に言うとアウト厨は
山で石ころ一つ持ち帰っても厳密にはアウト！って言うからな

でも窃盗の罪に問うには
その対象に財物性があるのかと言うことも関わってくるから
石ころに財物性などあるわけもなく、まぁもう説明らないよね